アサヒソノラマレコード続き2011/03/11 11:55


ジャケット裏面
ジャケット裏面です。
 このレコードは1973年発売されたレコードで、取材は上座遠藤甚吉当屋、下座大滝明当屋のとき取材したものらしい。

ジャケット写真・上座提灯持ち・遠藤啓一。上座王祇守・遠藤甚一。
 レコードA面は、語り・小沢昭一師による、祭りの風景
 レコードB面に入っている演目は
1:弱吟「杜若」下座
2:強吟「羅生門」上座
3:狂言「靭猿」上座
4:早笛「河水」上座
5:神楽「絵馬」上座
 が録音されているが(全体的に録音レベルが低いというか、シテ・謡方の声が小さい)狂言「靭猿」を聴いていて役者の顔が浮かんできた。
「靭猿」大名・釼持冨男(たぶん) 猿引き・五十嵐喜一(たぶん) 太郎冠者・遠藤甚勇(たぶん) 小猿・不明(ひょっとして五十嵐某君かな) 当方に1972年王祇祭資料ありませんので、ご存じの方がおりましたら、ご教授ください。

 このレコードの解説文を船曳由美氏が書いているが、私たちが気おつけないといけない文章があるので、自戒も含めて引用紹介したい。

「-略- 伊右衛門さんが笑いながら、ほれハリツケ娘、ここえこいという。私が黒川村へきてから、無礼なマスコミ連中やカメラマンがあいつぎ、年々黒川の祭りの気分が壊れてきた。だからハリツケにして、黒川橋の入り口におったてて、村にくる他人者(よそもん)を阻止したいのだ。それを聴くと、わたしは酔いもさめて、謝るしかない。私を含めて、みずからの祭りを持たぬ人間が、祭りに押し入り、村人をはねのけてお能をみているなどというのは、まさに言語道断、失礼な話なのだ -略-」

 このレコードで使っている写真は島内英佑と朝日ソノラマ本誌編集部となっている。たしか黒川能が太陽で発表されたときは薗部澄師が撮っていたが、上座下座祭りが同時進行するため島内師も撮影して単行本「黒川能」が出来たと聞いている。

 ちなみに1985年に発行された「黒川能の世界」では某有名写真家に写真を頼んだが結局撮れないで、本をどうしようかとなり、それまで黒川能を撮影していた、石田裕・神田佳明・薗部澄・村岡秀夫・渡辺国茂の写真で構成して出版し、黒川能東京公演に間に合わせた。

 JAZZレコードの音源デジタル化も少しずつ進んでいる。
 スィングジャーナルゴールドデスク SPレコードから起こしたレコード THE TEDDY WILSON