能「範頼」と蒲桜2010/04/01 16:46

春日神社舞台・能「範頼」
 3月23日鶴岡市黒川にある春日神社で祈年祭があり、上座能「老松」(半能)、上座狂言「膏薬練」、下座能「範頼」が演能された。
 能「範頼」は80年ぶりに今年の王祇祭で復活演能された能です。

 ストーリーは「源範頼(みなもとののりより) が義経をかばったことから、謀反の疑いをかけられ、源頼朝のもとに呼び出される。範頼は起請文を差し出し忠誠を誓う。後場、修善寺にいる範頼を梶原景時が追っ手となり襲撃する。範頼は戦うが、ついには自害するが、景時は範頼の首をはねる。

 能的には短い能だが、居グセの部分が長い感じを受けたのでその部分をうまく処理すれば、おもしろい能になる可能性を感じた。

 なお「範頼」の詞章は、『校註謡曲叢書』 第3巻に載っていると「マックとクーとクールの日々」さんのブログに書いてあった。黒川能保存会発行の王祇祭プログラムと祈年祭プログラムにも黒川本の謡が掲載されている。

 裏話的には王祇祭の番組制作時、当屋の奥様が親戚で見た杜若がよかったので、うちでもやってほしいとリクエストがあり、すこし短い能を番組に入れないと収まらなくなり、範頼を復曲した。という話を聞いた。

 ところで範頼に関係する桜が埼玉県北本市にある、国指定の石戸の蒲桜である。(この話はまた・・・)
 この桜は数年前に撮影したが、そのときはフィルムだった。今年機会があれば、デジタルで撮影したい。

 写真のほうは、梶原景時(左側)と戦う範頼(右側)。春日神社舞台で下座が演能する場合は逆勝手で、橋がかりが右側に付いており、囃子方は左から「笛」「小鼓」「大鼓」ですわり、脇方は舞台左側に座る。ただし舞の時は普通に舞う。下座の人たちは王祇祭の時と神社の時では立ち位置が違うので、二通りの演じ方を覚える必要がある。
 注:黒川能は上座と下座の二つの演能団体があり、それぞれに世襲の能太夫がおり、能座をまとめている。(上座座長・斉藤賢一太夫。下座座長・上野由部太夫)能の演目は上座と下座で分けて番組を持っている。(続く)

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